我見を断つ根本は意根の我見を断つこと

衆生は皆五陰を私としているが、その衆生とは誰を指すのか。衆生は主に意根を指し、五陰は意根を主とし、意根は六識を統率し、色身と一緒に五陰身を構成する。維摩詰経に「衆生の心行を了知する」とある。誰が衆生の心行を了知するのか。如来蔵が衆生の心行を了知し、この衆生とは意根である。なぜなら如来蔵は主に意根の心行を了知し、意根の願いや考えを実現させ、その後に五陰六識の身口意行の造作があり、三界世間法の現れがあるからである。

この意根が衆生を代表し、意根は五陰を私とし、色陰を私とし、受陰を私とし、想陰を私とし、行陰を私とし、さらに識陰六識を私とし、また如来蔵の様々な機能作用も私のものとしている。これらの全ての法は私が作り出したもので、全て私の所有物だと思っている。だからこの「私」は主に意根を指す。

では我見を断つとは誰の我見を断つのか、今はとても明らかである。我見を断つとは主に意根の我見を断つことである。意根はこれらの全ての法を私としているので、我見を断つとは意根に五陰が私ではないと思わせないようにすることであり、意根のこの知見を断つことが我見を断つことである。だから我見を断つには必ず意根に触れなければならず、意根に五陰が私ではないと認めさせることが我見を断つことである。

この「私」は意根を指し、六識意識心を指すものではない。なぜなら意根が識陰すなわち六識、受陰、想陰、行陰、色陰を全て私としているからである。だから我見を断つとは意根にこれらの法が私ではないと思わせることである。もし意根が我見を断たないで、ただ意識が我見を断ち、意識が五陰が私ではないと思っても、これは我見を断つことにならない。今から見れば、意識が私ではないと思っても役に立たず、これは我見を断つことではない。必ず意根に五陰が私ではないと認めさせることが最も根本的で究極的な我見を断つことである。