浄土とはどのような生活か

極楽世界に類似した浄土に日常生活や仕事が存在するならば、それは娑婆世界の在家者の世間国土と同様であり、浄土とは言えない。衆生には必ず貪瞋痴の煩悩が生じ、出家者と在家者の区別が必然となり、娑婆界と差異がなくなる。

清浄な仏国土では、一切が変化によって存在し、労働も生活も仕事も不要である。人々の心は清浄無垢で私欲がなく、男女の区別も家庭も存在せず、無比の清浄さがあるため、出家と在家の区別もなく全員が修行者である。娑婆世界のように男女の区別や家庭の束縛、仕事と生活が必要な場合にのみ、出家と在家の区別が生じる。故に仏は娑婆世界において出家僧を主体とし、大衆を導いて仏法を修行させた。仏教は出家僧によって維持され、仏法は出家僧によって弘通される。仏が涅槃に入る際、在家の大菩薩たちが法蔵を継承し代わりに弘法することを求めたが、仏はこれを許さず、出家僧団に仏法三蔵十二部を護持させた。

清浄な仏国土及び天界では、衆生に男女の区別がなく家庭も存在しないため、全てが出家修行者であり、改めて出家する必要がない。家庭がなければ何を以て出家と為すか？浄土の衆生及び大菩薩から等覚菩薩に至るまで、全て家庭を持たず、現れる相も男女を分たない。故に彼らは出家する必要がなく、出家相を現すこともなく、全て出家僧であり且つ菩薩僧である。従って彼らは頭を剃る必要もなく、僧衣を着る必要もなく、出家戒を受持する必要もない。