雑阿含経第一巻五

世尊は比丘たちに告げられた：色陰に貪愛する者は、喜楽と苦を貪愛するのと同じである。苦を喜楽する者は、苦から解脱できず、無明を断つこともできず、貪欲を離れることもできない。受陰・想陰・行陰・識陰を貪愛する者は、苦を貪愛する者である。苦を喜楽する者は、苦から解脱できず、無明を断つこともできず、貪欲を離れることもない。なぜ色陰・受陰・想陰・行陰・識陰を喜楽貪愛する者が苦を喜楽するのか。それは貪愛と喜楽が染汚の心であり、清浄ではないからである。五陰を貪愛喜楽すれば、五陰に束縛され、心が粘着し解脱を得られない。衆生の意根には我愛の煩悩があり、自らの五陰に執着し、五陰を滅ぼすことを望まないため、命終すれば中有身が生じる。中有身において意根が自我に執着し、未来世の色身を得ようとすれば、胎に投じるため、次の世の五陰が生起する。五陰があれば苦受があり、老病死無量の憂悲苦悩が絶えず現れる。故に五陰を喜楽貪愛することは、苦を喜楽することである。世尊は再び比丘たちに告げられた：色陰に貪愛喜楽しない者は、苦受を喜楽しない者である。苦受を喜楽しない者は、苦受から解脱できる。このように、受陰・想陰・行陰・識陰に貪愛喜楽しない者は、苦受を喜楽しない者である。苦受を喜楽しない者は、苦受から解脱できる。世尊は比丘たちに告げられた：色陰を知らず明らかにしない者は、貪欲を離れられず、貪欲を離れなければ心は解脱できない。貪心を断たず解脱しなければ、苦受を断つことも解脱することもできない。同様に、受陰・想陰・行陰・識陰を知らず明らかにしない者は、貪欲を離れられず、貪欲を離れなければ心は解脱できず、心が解脱しなければ苦を断てない。世尊は比丘たちに告げられた：色陰を了知し明らかにする者は、貪欲を離れ、貪欲を離れれば心は解脱する。心が解脱する者は苦を断つ。同様に、受陰・想陰・行陰・識陰を了知し明らかにする者は、貪欲を離れ、貪欲を離れれば心は解脱し、心が解脱する者は苦を滅する。