理解と現観の違い

解悟と証悟の間には大きな差があります。証悟とは真実に証得し、自ら心の真如を現前に観察でき、観察したものはすべて事実であり、現量です。解悟とはただ道理を理解しただけで、如来蔵はそのようなものだと思うだけで、親自に証得していないので、現前に真如を観察することができず、如実に現前に観行できなければ、真如の理体に本当に転依することはできません。

両者の違いがどこにあるのかをよりよく理解するために、たとえを用いて説明します。解悟はたとえばリンゴの知識理論を研究しているようなもので、理論はかなりよく研究でき、かなり詳細になるかもしれません。リンゴの産地、品種、輸送、保存、外観形態、色つやなどを含みますが、結局口に入れて食べていないので、本当のリンゴの味がどうなのか、どれほど甘くておいしいのかを知らず、心身も本当の効用を得ていません。証悟とは既にリンゴを親自に食べて、リンゴの甘い味を真実に知り、リンゴに対する感じは真実で偽りがなく、心身は既に利益を得ています。

しかし、このリンゴを食べた人がまだリンゴの味をうまく表現できないかもしれませんし、リンゴの産地などの各種情報も知らないかもしれません。一方、解悟した人は、リンゴに関するすべての理論を知っているかもしれませんが、一口のリンゴも味わっていないので、彼のすべての理論は単なる理論に過ぎず、自分の心に実益を得ていません。釈迦世尊の一番愚鈍な弟子が四果の阿羅漢を証得した後、解脱道の法義を説けないけれども、彼は既に真実の解脱を得て、本当に生死を了し、生死輪廻から出離し、未来には少しも苦しみを受けなくなります。しかし、今の凡夫たちは理論が非常に強く、大言壮語し、著作が山のようになり、言葉の表現は聖人のようですが、心の中には少しも解脱の影もなく、話すときは聖人のようで、事を行うときは十分な凡夫で、心の中の貪瞋痴は同様に降伏されておらず、慢心が盛んで、周りの人は彼に近づく勇気さえありません。