世尊は観経において、衆生が極楽世界に往生するには上輩・中輩・下輩の三輩と九品の階級があることを示された。上輩往生は大乗を発心し修学し、大菩提の道を歩み、明心見性を願い無量の衆生を広く利する者。中輩往生は小乗の発心で個人の生死苦からの解脱を求める者。下輩往生は大悪業を造りながら臨終に善根が顕れ、極楽往生を決意した者である。
上品上生:極楽世界に生じた後、蓮華に住まず直接阿弥陀仏に謁し、仏の説法を聞く。娑婆世界で既に明心見性し、無始無明と我見を断じたため、蓮華宮殿での大乗薫修を要しない。仏に謁する時、阿弥陀仏の深遠な大乗法を理解し、その場で無生法忍を証得して如来の家に入り、地上菩薩となり広大深遠な智慧を具え、十方世界に分身して諸仏を供養し縁に随い衆生を度す。
上品中生:明心見性はないが大乗方広経典を読誦する者。弾指の間に極楽世界に至り、蓮華内に一宿(娑婆世界の半大劫)住んだ後、七日の後に仏に謁し説法を聞き不退転菩薩となり、一小劫を経て初地菩薩となる。
上品下生:蓮華内に一日一宿(娑婆世界の一大劫:1680万年×80)住み、出華後七日の後に仏を拝するが像が不分明。二十一日を経て説法を聞き明心を開悟し、三小劫を経て初地菩薩となる。
中品上生:小乗根性で大乗菩提心を発せず大乗経典を読誦しない者。極楽世界に至り直ちに仏に謁し、説法を聞いて三明六通の大阿羅漢(舎利弗・目犍連と同位)となる。
中品中生:蓮華内に七日住み出華後初果を証し、半劫を経て四果阿羅漢となる。
中品下生:蓮華内に二十一日住み出華後初果を証し、一小劫を経て四果阿羅漢となる。仏力加持により永劫無余涅槃に入らず、大乗仏道に回向する。
下品往生:大悪業を造った者が蓮華内に極長期間住む。
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