原文:無心無可得,説得不名法;若了心非心,始解心心法。
解:本心を悟得した後、漸く発見するに、この本心は前七識の妄心の体性に非ず、三界の中の心行に非ざる。この心は得ること不可にして、外より得たるに非ず、五陰自ら本有の家珍なり。ただ他人の指示を通じ、彼を発見したのみ。もし悟りを某かの心を得たることと説くならば、先になく今に有り、後天に出生したるものならば、必ず悟り誤り、能生能滅の意識心境界を悟りたるなり。意識心は定を修し、偶々空を見て、空の境界を本心と識取すれば、この本心は外より得たるもの、定を修して得たるものなり。定散じ空滅すれば本心消失し、再び定を修して保任し、空を常存せしむ。この悟道の方法を非道とし、錯乱の修行なり。もし本心が世間七識の心行に非ず、前七識と別なるを明らめ、八識を悉く了知すれば、衆生は始めて本心の各種法相・各種功能作用を了解し、漸く別相智と道種智を具備するに至る。
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