如来蔵は十法界の性質を具足しているが、意根は決して十法界の性質を具足し得ない。意根に仏性があるならば、それは一瞬にして仏となる。もしそうであるならば、この一念を十念百念千念に拡大すれば、一日半日の仏になることができるのか。仏の意根、声聞縁覚菩薩の意根は、三悪道衆生の悪性を具足することもなく、六道凡夫の性質も具備していない。
本性とは心所法を指す。意根の心所法を見れば人の本性が分かり、如来蔵の心所法を見れば衆生の未来の帰着が明らかになり、必ず仏となることに疑いない。
凡夫の意根は、声聞縁覚や菩薩の意根、仏の意根とは極めて大きな差異がある。また意根の心所法と如来蔵の心所法にも異なる相違があり、ただ仏の意根のみが仏の無垢識の心所法と差異がない。衆生がもし仏であるならば、真の意味における仏であるならば、意根の心所法は如来蔵の心所法と同一でなければならず、煩悩心所法が存在せず、五遍行心所法を具足し、五別境心所法を具足し、善十一心所法を具足しているはずである。
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